「背筋を伸ばしていると疲れる。」
「猫背の方が楽に感じる。」
このように感じる方は非常に多いでしょう。
実はこれは意志が弱いからではありません。
人体の仕組みとして、脳が「楽」と判断してしまう理由が存在します。
その理由を理解するには、まず姿勢を支えている3つの組織を知る必要があります。
姿勢は次の3つによって維持されています。
しかし、この3つには決定的な違いがあります。
関節は骨と骨をつなぐ部分です。
膝、股関節、肩、肘など、人間には約260個もの関節があります。
関節には
が存在し、衝撃を吸収しています。
しかし軟骨は血流が乏しく、一度大きくすり減ると自然に元通りになることは期待できません。
つまり関節は長年使うことで少しずつ消耗していく組織なのです。
靭帯は骨と骨をつなぎ、関節を安定させています。
捻挫で傷める組織としても知られています。
靭帯は非常に丈夫ですが、一度大きく伸びると元の状態には戻りにくいという特徴があります。
そのため、関節と同じように長期間の負担が積み重なることで機能が低下していきます。
一方で筋肉は違います。
筋肉は負荷によって一時的に損傷しても、
によって修復され、以前より強くなる「超回復」という仕組みがあります。
つまり筋肉だけが再生・成長できる組織なのです。
ここが最も重要なポイントです。
姿勢の支え方には2種類あります。
筋肉を使うためエネルギーを消費します。
その分疲れやすく感じます。
しかし関節や靭帯への負担は軽減されます。
筋肉をほとんど使わないためエネルギー消費が少なくなります。
脳はこれを
「楽な姿勢」
と判断します。
しかし実際には
へ負担が集中している状態です。
姿勢改善を始めたばかりでは疲れるのは当然です。
これまで休んでいた筋肉が働き始めるからです。
しかし継続することで筋肉は成長し、
筋肉で支える姿勢が自然になります。
その結果、
の予防にもつながる可能性があります。
ピラティスでは、表面の大きな筋肉だけではなく、姿勢を支えるインナーマッスルや姿勢をコントロールする方法を効率よく鍛えます。
そのため、
「関節や靭帯に頼る姿勢」
から
「筋肉で支える姿勢」
へと身体や脳の使い方を変えていくことが期待できます。
姿勢を支える組織には、それぞれ異なる特徴があります。
悪い姿勢が楽なのは、筋肉を使わず、関節や靭帯に体重を預けているからです。
一時的には楽に感じますが、その代償として関節には少しずつ負担が蓄積します。
本当の姿勢改善とは「無理に背筋を伸ばすこと」ではなく、筋肉で身体を支えられる状態を作ることです。
筋肉を育て、脳の勘違いを変えることが、将来の関節を守ることにもつながります。